今年度のシオンセミナーは、副島賢和先生(昭和大学大学院保健医療学研究科准教授)をお招きして、『自分も相手も大切にするかかわりに必要なこと』~院内学級の子どもたちが教えてくれた大切なこと~というテーマで講演していただきました。
当日は小雨模様のあいにくの天気でしたが、当日参加の方々もふくめて、たくさんの方が集まって下さいました。中には、副島先生のお話を聞きたいと、庄内地方ではないところから、遠路来てくださった方もいました、。
講演はマイクを使わず、それでも研修室の隅々まで通るお声で話していただきました。終始、先生の熱い思いが伝わってくる感動的な内容でした。
1時間半の講演をそのままお伝えしたいほどですが、それはできませんので、特に印象的だった言葉や内容を、皆さまとを分かち合いたいと思います。
・当事者意識を持つことが大切・・・思いやり、相手の気持ちを視点を変えて想像してみる
・喪失体験から否定的自己イメージを持ってしまう子どもたちに、教育者は教育を通して、またそれぞれの専門性を活かして肯定的イメージを作っていける
・今日という日は誰にとってもはじめての日なのだから、失敗してもいい。はじめてだから、うまくいかないことがある。
・自分の感情を大切にする・・・誰かの悲しみやつらさを受け取るには、自分の感情を渡せる人をつくる。
・どんな感情も大切・・・特に不快な感情を大切にする。負の感情をしっかり扱うことが大切。感情に善し悪しはなく、どんな感情を持ってもいい。
・親以外の依存先を探すことが、自立。
・感情表出への理解・・・怒りは願いの裏返しであり、悲しみは助けてほしいという訴え、喜びは誰かとわかち合うことで加速し、恐怖や不安は、それを解決しなければならないという強い願いです。
・Doingの前にBeing・・何かができる、行動できるという前に、そこに存在するだけで価値があるのだということがわかるかかわりが大切。 Doingは社会的自尊感情を高めますが、Beingは基礎的自尊感情、自分はかけがえのない存在だとわかることです。
NHKで放送された『プロフェッショナル』の一部が流され、院内学級を知らない参加者にも具体的なイメージが伝わったと思います。また、院内学級に通っていた小6の男の子の『ぼくは幸せ』という詩を引用して、つらい状況に置かれながらもまっすぐな心を育んでいる子どもたちの様子が話されると、目頭を押さえる参加者もいました。
ホスピタルクラウンとしても活動してこられた副島先生。講演会の後半では、上着を脱がれて赤鼻を手にされたりして語って下さいました。先生の思いは、参加された方々にしっかり届いたと感じました。
お忙しい中、庄内に来てくださった副島賢和先生、本当にありがとうございました。そして、参加者の皆さま、本当にありがとうございました。
<ウリ坊>
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