『自閉症の君が僕に教えてくれたこと』を見て

 先日、NHKスペシャルで東田直樹さんの『自閉症の君が僕に教えてくれたこと』という番組が放送されました。昨年当市で開催された講演会に参加できたので、思い起こしながらしっかり見ました。

 東田さんは、重度の自閉症のために会話することが難しく、パソコンや文字盤ポインティングで自分の気持ちを表現します。番組の中でも、パソコンを打ちながら、打った文字を言葉にして発している場面が映し出されていました。
 東田さんが13歳のとき発表して話題になった『自閉症の僕が跳びはねる理由』を英訳した作家デイビッド・ミッチェルさんをアイルランドに訪ねたり、認知症になった祖母を訪ねる様子が主な内容でした。
 ミッチェルさんには自閉症の息子さんがおり、東田さんの作品を通して初めて、自分の息子の内面や気持ちを知ります。ミッチェルさんだけでなく、私も東田さんを通して自閉症の方の豊かな感性や心情に触れました。東田さんの指先から出てくる言葉は平易ですが、深く心に沁みてきます。会話ができないから、頭の中や心の中で、言葉が熟成されていくのでしょうか?いつも東田さんの中には、言葉が渦巻いていて、自問自答しているのかもしれません。
 この番組の中で、一番心に残っている場面は、癌を患ったディレクターが、「自分の母や祖母より自分が先に逝くかもしれない。命をつなぐことができないかもしれない。」と言ったとき、東田さんが「命というものは大切だからこそ、つなぐものではなく完結するもの。命がつなぐものであるなら、つなげなかった人は、どうなるだろう。バトンを握りしめて泣いているのか、途方にくれているのか。」と言ったところです。命は完結するもの・・。これは、そのまんまその通りだと感じます。バトンを握りしめて泣いている・・情景が浮かぶような言葉です。一人一人の命は、誰かにつなぐためにあるのではなく、みんな自分の命を全うするためにあるのですね。あらためて、確認させられたような気がしました。
 今年も、残りわずか。振り返ると、やり残したことばかり浮かびそうです。番組を見て、まずは命が完結するまで、日々の生活を大切に過ごしたいと思いました。
     <ウリ坊>

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